記事ページ メインビジュアル 記事ページ メインビジュアル
記事

社内不正が発覚した際の対応と調査|不正の手口や原因も解説

自社の情報を他者に流して金銭を得る、または売上を不正に着服するなど、従業員による社内不正に悩まされている企業は少なくありません。

では、実際に社内不正が発生した場合、会社としてどのように調査をして、処分を下せばよいのでしょうか。今回は、社内不正の手口や原因、対応方法などについて解説します。

社内不正の主な手口

社内不正にはどのような手口があるのか、代表的なものを3つ紹介します。

機密情報の漏えい

機密情報の漏えい イメージ

企業の保有する顧客情報や業務のノウハウなどが誰でも閲覧できる状態だったり、権限管理や監視が不十分だったりすると、容易に情報が盗み出せてしまいます。

手口としては、このような機密情報を個人のUSBメモリやHDDに移し替えたり、メールで外部に送信したりするものが挙げられます。

取得した情報は同業他社への転職や起業の際、優位になるために悪用したり、他者に販売して利益を得たりするのに使われるなどが考えられるでしょう。

不正請求

不正請求 イメージ

私的な出費を業務上の必要経費と偽り不正に請求するものです。

定期区間内の移動であるのに別途交通費を請求したり、領収書の不要な交通手段で、行っていない場所の交通費を虚偽申請したりする手口がよくあります。

このほか、個人的な食事の代金を取引先の接待費として請求したり、架空の出張申請をしてその費用を騙し取る「カラ出張」をしたりするケースもあります。

着服・横領

着服・横領 イメージ

会社の金銭を管理する経理担当者が、会社の預金口座から不正に現金を引き出して着服したり、社内で管理する金品を持ち出したりする事件もよくあります。

社内の金銭や金品の管理を任される従業員がおこなう場合もあれば、権限のない従業員が倉庫の鍵を盗む、不正に管理場所へ侵入するなどして持ち出す場合も考えられるでしょう。

社内不正が発生する原因

アメリカの犯罪学者、ドナルド・R・クレッシーによれば、不正の原因はおもに「動機・プレッシャー」「機会」「正当化」の3つが揃ったときとされています。

それぞれどのようなことか、解説していきましょう。

動機・プレッシャー

動機・プレッシャー イメージ

動機・プレッシャーとは、不正行為を実行しようと思い立つきっかけや原因のことです。社内不正の場合、たとえば以下のようなことが不正の動機になりやすいです。

  • ●給与や賞与に納得できない
  • ●人事に不満がある
  • ●業務量やノルマが厳しい
  • ●上司からのプレッシャー
  • ●業務のミスを隠したい
  • ●個人的に金銭の問題を抱えている

機会

機会とは、不正をしようと思えば実行しやすい環境、発覚しにくい状況があるなど、犯行を容易にする機会があることをいいます。たとえば、以下が挙げられます。

機会 イメージ
  • ●システムや金銭の管理権限の自由度が高く、誰でも持ち出しやすい
  • ●担当者が経費関連の申請をしっかり確認していない
  • ●同一の従業員が同じ業務を長期間担当しており、不正をはたらきやすい
  • ●監視体制が不十分で不正をはたらいても発覚しにくい

正当化

正当化 イメージ

正当化とは、自分勝手な理由づけをいいます。不正をおこなっても自分が悪くないと思える理由のことです。たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • ●給与や賞与が少ないから不正請求くらいしてもよいだろう
  • ●正当に評価されないから不正をしても問題ないだろう
  • ●金銭的に厳しい状況なので少しくらいもらっても仕方ないだろう

社内不正が発生する原因

では、従業員が社内不正をしていることが発覚した場合、どのように対応をおこなうべきかについて解説します。

不正を働いた従業員への処分

不正を働いた従業員への処分 イメージ

不正を働いた従業員が特定された場合、つぎのような社内処分や法的な罰則で対応する方法があります。

社内処分

社内処分 イメージ

従業員が不正をおこなったことが事実である場合、罪の重大さや本人の態度などから、懲戒処分として減給、もしくは解雇の措置をおこなうとよいでしょう。

懲戒処分の実施に関しては、労働基準法で事前に就業規則に記載し、従業員に周知することが必須となっています。

社内不正をおこなった場合に会社としてどのような処分を下すのか、その根拠もあわせて記載・周知します。

民事上の損害賠償請求

民事上の損害賠償請求 イメージ

従業員は企業に雇用される側であり、雇用契約に従う義務があります。

しかし、それに違反して企業に損害を与えた場合、民法による「債務不履行に基づく損害賠償責任」により、責任を取って代わりに損害を賠償しなくてはなりません。

刑事告訴

刑事告訴 イメージ

たとえば、従業員が機密情報を漏えいした場合、「窃盗罪」「不正競争防止法の違反「業務上横領罪」など刑事上の責任も問われる場合があります。

ただし、これには不正をおこなった事実が分かる証拠が必須であるため、証拠がない場合に責任を問うのは難しいです。

社内不正の調査

社内不正の調査 イメージ

不正を働いた従業員が特定されたあとも、その状況を詳しく把握するためにヒアリングや証拠の収集をおこなう必要があります。

ヒアリング

ヒアリング イメージ

ヒアリングする内容の基本は、5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)です。また、ヒアリングは内部通報者→関係者→容疑者の順でおこなうとよいでしょう。

内部通報者から聞いた内容から、不正の内容やおこなわれていたと思われる時期、被害規模を確認し、これをもとに調査を進めます。

また、関係者に話を聞く場合は、犯行に関して情報をもっていそうな人物を内部通報者に指名してもらい、メールの送受信履歴、交友関係などから対象者を決めるとよいでしょう。

容疑者に対して話を確認する場合は、まず自由回答法で不正の手口や動機を聞き、否認する場合は、似た質問を別日にもくり返してぼろが出るように仕向ける方法があります。

証拠の収集

証拠の収集 イメージ

たとえば、情報漏えいであれば操作ログの確認や、物品管理場所の入退室の履歴確認などが挙げられます。

なお、パソコンやスマホなどのデジタル機器から不正の痕跡や裁判に使える証拠を収集する調査をデジタルフォレンジック調査といいます。

とくに、証拠は民事上の損害賠償請求をおこなううえで非常に重要なため、破壊したり取りこぼしたりしないように注意が必要です。

不正調査を実施する際の注意点

不正調査を実施する際、調査対象者に注意すべきポイントについて解説します。

通報者の保護

通報者の保護 イメージ

社内不正は、内部通報により発覚することも多いです。その際、社内で通報者探しが発生する可能性も考えられます。

これにより通報者が特性、もしくは推定されて嫌がらせやハラスメントの被害者とならないために、特定につながる情報が流出しないよう細心の注意を払ってください。

一度、通報者がこのような被害を受けてしまえば、内部通報のシステムそのものが危うくなるおそれもあります。

たとえば、ほかの従業員に知られないよう空き部屋か社外でヒアリングを実施する、また他者にヒアリングする際も、限定的な業務内容など通報者が特定できる項目を開示しない、などが重要です。

社内だけで調査を進めない

社内だけで調査を進めない イメージ

調査を社内だけで実施すると、とくに前例がない場合はなにから始めればよいか、どこを調べればよいか分からず、時間の経過により証拠を逸失したり、情報を取りこぼしたりする可能性があります。

そのため、むやみに個人や社内だけで調査をせず、かならず社内調査にくわしい専門家に意見を仰ぐことをおすすめします。

対象者を問い詰めない

対象者を問い詰めない イメージ

事実を明らかにするため、調査対象者や容疑者に対して威圧的に問い詰めたくなる場合もあるかもしれません。

しかし、問い詰めることで会社への不満や警戒心を煽ってしまうと、黙秘したり、証拠を破棄してしまったりするおそれもあります。

証拠がなくなれば損害賠償の請求なども難しくなってしまうため、不正に至った理由を理解しているように、慎重にヒアリングをおこなってください。

隠蔽工作に要注意

隠蔽工作に要注意 イメージ

近年では犯人が“悪知恵”を働かせて、調査を欺くために隠蔽工作を施しているケースが多くあります。

  • ●痕跡を消す・改ざんする。
  • ●偽装して他人に罪をなすりつける。
  • ●証拠を捏造する。

残っている痕跡が真実の記録だとは限りません。痕跡を盲目的に信じ込んでしまうと、犯人の罠にはまって誤った判断をする恐れが強くあります。そのため、改竄されていないか、捏造された証拠ではないか、というような真実・不実の確認は精度高く行わなければなりませんので、できれば専門家の鑑定に基づいて判断したほうがよいです。

まとめ

社内不正が発生した際の対応や調査の際の注意点について紹介しました。注意点をおさらいすると、以下のとおりです。

通報者の保護:通報者のみが知り得る情報を流さない
社内だけで調査を進めない:方向性を決めないままむやみに調査しない
対象者を問い詰めない:会社への不満や警戒心を煽らないようにする
隠蔽工作に要注意:犯人の罠にはまって誤った判断をしないよう留意する

不正が発生しないよう、日ごろから対策を実施しておくことは重要ですが、対策により100%被害を防げるわけではありません。

定期的に対策を見直し、監視体制を整えたうえで、それでも万が一不正が発生してしまった場合に相談できる場所、専門家を調べておくことも重要です。

相談見積り無料・全国対応・緊急対応

CASE
よくある相談事例

ARTICLE
記事一覧

相談見積り無料・全国対応・緊急対応

page top